日本共産党の畑野君枝議員は7日の衆院本会議で、審議入りした公立学校教員に「1年単位の変形労働時間制」を導入する「公立学校教員給与特別措置法(給特法)改正案」の質疑にたち、同制度の導入は、「断じて許されない」と批判しました。(要旨)
公立学校の教員に対する「1年単位の変形労働時間制」の導入は、「繁忙期」に1日10時間労働までを可能とし、「閑散期」とあわせ年平均で週あたり40時間の労働に収めようとする制度です。
畑野氏は、教員の労働実態について、「文科省の調査でも、小学校で3割、中学校で6割が過労死ラインに達するなど、異常な長時間労働が強いられている」と告発。必要な規模の教員を増やしてこなかった政府の責任をただすとともに、給特法が労働基準法37条の割増賃金の規定を適用除外し、教員の時間外勤務を規制する手段を奪い、際限ない長時間勤務の実態を引き起こしてきたことを指摘し、給特法の抜本改正を求めました。萩生田光一文科相は、給特法が「長時間勤務につながっているとの指摘がある」と答えました。
畑野氏は、同制度の導入が「1年間という長期間にわたり8時間労働制という原則を崩す、労働者にとっての重大な労働条件の不利益変更だ」と強調。「条例で導入を可能として、どうして労働者としての権利を保護することができるのか」と批判しました。
萩生田氏は、「本制度の導入にあたっては、職員団体との交渉を踏まえつつ検討される」と述べました。
◆ 教職員は、特給法という特殊な法律のもと定められた給与体系のため、給与の4%を残業等の手当として支給される(教員調整額)代わりに、どれだけ残業をしようとも残業代が支払われません。よって、変形労働時間制が適用されたとしても、トータルの勤務時間は全く変わらないばかりか、これまで、工夫して時短に努め定時退勤を目指してきた教員も、これまで以上に働かなければならないという事態にもなりかねないのです。