国道16号には「常盤園下」、和田町交差点から三ツ沢方面へ向かう坂道沿いには「常盤園入口」・「常盤園前」のバス停があります。常盤公園は市公園部の管轄で、詰所には職員が常駐。園内の古木は四季折々に訪問者の目を楽しませてくれます。
なぜバス停が「常盤公園」ではなく「常盤園」なのか疑問に思った方もいられるでしょう。戦前この地は、市立恵風ホームや横浜国立大学の敷地の一部をふくんだ約9万坪(現在の6倍)もある大公園でした。園内には、あずまやのある林に桜や梅、松や檜などが植えられ、季節にはショウブの咲き乱れるひょうたん池や果樹園、竹林蕗菜園、更には運動場二面などが備わった区民のオアシス的存在で、小学生の遠足や運動会で一度は行ったことのある場所でした。今、横浜新道の切り通し等で分断されていますが、常盤園から現在の16号に下る道は「ふじ見坂」と言われて料亭が軒を並べ、特に梅の季節には大変な混雑ぶりだったそうです。この坂を下り切り、星川小学校へ向かう道が相鉄線を渡る西側に「常盤園下駅」があって、和田町駅が開設されるまで営業されていました。
常盤園は、保土ヶ谷宿で鍋屋を称し「岡野新田」にその名を残す岡野家の別荘地で、桜ケ丘の開拓や町内の耕地整理、社会事業に尽力した岡野欣之助が、大正3(1914)年町民のために公開したのが始まりです。土地の人々が親しみと尊敬を込めて「岡野公園」と呼んでいたのをご記憶の方も多いでしょう。